こんにちは! arc-en-ciel〈アルコンスィエル〉Takako(→プロフィールはこちら)です。
先日、ある美術館に行きました。
今回は、そのことで感じたことをお話しします。
2ヶ月程前、テレビのニュースで、わたしの好きな絵本作家さんの美術展があると知った。
わぁ〜行きたいなぁ!と言いながら、食事の用意をしていたので、ちゃんと開催日などを確認していなかった。
ある日、小学3年生になる娘に「美術展行かないの?」と聞かれ、ハッとした。
家事や仕事に集中して、自分が楽しみにしている美術展のことをすっかり忘れていた。
「忘れてたー 教えてくれて、ありがとう!」とお礼を伝えると、娘は嬉しそうに「パパー、美術展いつまであるのか調べてー」と言ってくれていた。
それから1ヶ月程たった頃、カレンダーの予定を見た夫に、13日は美術展の最終日だけどいいの?と訊かれ、予定を変更して家族3人で行くことになった。
自分の楽しみにしていることを、あっさりと2度も忘れるなんて‥‥ 自分を大切にしていないな、と気づくきっかけにもなった。
わたしの好きな絵本作家さんは 「 ザ・キャビンカンパニー 」というユニット名、阿部健太郎さんと吉岡紗希さんによる2人組の絵本作家で美術家。
わたしの姪から、娘へとプレゼントしてくれた絵本「ねんねこ」があまりにも可愛らしい絵で、さらにストーリーも娘のこと?と思ってしまうほどで、大好きになった。
おふたりは大分県生まれで、大分の廃校になった小学校をアトリエにして活動している。
「大絵本美術展 童堂讃歌」
ダイ エホン ビジュツテン ドウ ドウ サン カ
チケットを購入して、ワクワクしながら中へ入ると、
・絵本の原画や立体作品、プロジェクターを使った映像作品
・不思議な空間、たくさんの大きな大きな立体作品(370×800×200㎝など)
・数々の企業や大分県とコラボした作品やマンホール、舞台美術を手がけたダンス作品のポスターの原画や舞台写真パネル、アーティストのツアーパンフレットの原画
・40冊ほどの絵本の原画が壁一面に展示
・廃校のコラージュ、巨大画(277×1400㎝)
(↑ 絵本と絵本の原画の一部)
たくさんの作品を観ることができて、本当に嬉しかったし、絵本以外での作品を多く手がけていることに驚いた。
絵本「ねんねこ」の原画は、とっても可愛かった。
(↑ 絵本「ねんねこ」の原画)
「大絵本美術展 童堂讃歌」は章立てられていて、章ごとに「詩の箱」といって、180×180㎝の青く塗られた大きな木材に、白い字で詩が書いてあった。
序章
第一章 あたまのなかの冒険
第二章 オボロ屋敷
第三章 アノコロの国
第四章 ならばの脫皮
第五章 玉虫色の窓
第六章 雲とモヌケ
第七章 童堂讃歌
その中でも、わたしの「こころ」に残ったのは、第四章 ならばの脫皮(だっぴ)。
(↑ 詩の箱「ならばの脫皮」)
四、ならばの脫皮
りんごならば みかんならば
かえるならば へびならば
やまならば うみならば
おとこならば おんなならば
ゲイジュツならば・・・・
ならばの ひふを ひっぺがす。
あゝ うれしい。
あのこは ようやく まっしろに なった。
この詩を読んで、私達は多くの「ならば」に縛られているよね、と思った。
そして、わたしもまだ「ならば」からの罪悪感が少しあるな、と。
ママならば 奥さんならば‥‥
でも、わたしはわたしで良い。
わたしなりのママ。
わたしなりの奥さん。
わたしは、「 正直な本当の自分で生きていく!」ということを、再度しっかり認識して生きていこう、と気が引き締まった。
第六章 雲とモヌケの廃校のコラージュ(50点ほどの集合作品)の右横にあった「アトリエ奇譚(きたん)」のなかに書かれていた文章も印象的だった。
壁に大きく貼られた「 教室はまちがうところだ 」の詩は私たちの心を大いに励ました。
(↑「アトリエ奇譚」一部抜粋)
この言葉から、思い出した。
娘が小学校に入ると、宿題の丸つけはおうちの人がして全部正解にして提出してください、と先生から伝えられた。
娘は、宿題の計算や漢字を間違えたときに、赤鉛筆でピンと✔︎チェックを入れられることを、とてもイヤがった。
初めのうちは、「まちがっててもバツしないで!」と言うので、間違っていてもチェックを入れずに、正解になって赤鉛筆で丸をつけていた。
でも、間違えることは、ダメなことではないし、ワルいことでもない。
わからなかった所を、見返したときにすぐにわかる方が良いんだよ。
次、間違わなくなるからね、と。
それをわかってほしくて、娘と話し合いを何度もして、長い時間をかけて理解してもらった。
今は、最初に答え合わせをして間違っているところは、赤鉛筆でチェックを入れ、正解になったら青鉛筆で丸をしている。
娘は、間違えた答えにチェックされることを、イヤがることがなくなった。
これは、宿題の紙の上だけのことではない。
あまりにも、失敗はいけない・間違ってはいけないと思って生きていく一歩になりそうだと思ったからだった。
美術展から帰り、「 教室はまちがうところだ 」の詩を検索してみた。
蒔田晋治(まきた しんじ)さんの詩だった。
長い詩のなかには、子どもたちに伝えたいことが詰まっていた。
「 まちがうことをおそれちゃいけない 」
「 ほんとのものを見つけていくのだ 」
「 そうしてみんなで伸びていくのだ 」
「 いつも正しくまちがいのない 答えをしなくちゃならんと思って 」
「 そういうことだと思っているから 」
「 まちがうことがこわくてこわくて 手もあげないで 」
「 まちがったって なにがおかしい あたりまえじゃないか 」
「 安心して手をあげろ 安心してまちがえや 」
「 おまえへんだと言われたって あんたちがうと言われたって 」
「 そう思うだからしょうがない 」
(一部抜粋)
教室ではまちがっていいんだよ、そうやって見つけていく、安心して発言していいよ、と。
こんな思いの環境で、子どもたちが育つと、大事な「 表現すること 」を安心して身につけ、自分も周りも認め、みんなで成長できるなぁ、と思った。
おそれずに、いろんなことに挑戦(チャレンジ)して、たくさんの経験をしてほしい。
私達を励ましてくれる、ステキな詩に出会うことができて嬉しかった。
娘と夫のおかげで、美術展に行き、ステキな良い時間をすごすことができた。
楽しかった。
たくさんの明るい刺激・感動をもらった。
本当に芸術は、スゴい ^ ^♪
(↑「TABATA」手帳2021 原画)
最後まで読んでくださり、ありがとうございます♪